磁場(B0)の不均一な部位、そうでない部位

磁場(Bo)の不均一な場所とは局所の周波数の増減をもたらすためSPIRを代表する選択的脂肪抑制法では均一な脂肪抑制をかけることができない。そのため非選択的脂肪抑制法であるSTIRや水/脂肪信号相殺法であるDixon法を使用しないといけません。それぞれの特徴ついてはこちらを参照ください。

ここでお話するのは経験的に磁場の不均一になりやすい部位についてです。基本的に脂肪抑制の際にChess法を使用しない場所ですので是非覚えてください。部位と理由を箇条書きしていきます。先に言っておくと磁場の不均一な場所は空気と複雑に隣接しているところや単純な球体や立方体とは異なる歪(いびつ)な形状をした部位です。

副鼻腔・・・骨に囲まれて空気がたくさんあるから

眼科,視神経・・・副鼻腔に隣接しているから

外耳・・・空気があるから

頸部・・・頭部から首、体幹部へと大きいところからきゅっと細くなってまた大きなところとなるか

胸郭・・・肺に隣接しているから

手・・・形が歪(いびつ)です笑 5本の指のせいで磁場が不均一になります

頸椎, 胸椎・・・肺に隣接している

足・・・撮影範囲にもよりますが横から見てL字なとことか形が歪(いびつ)と判断されます

ほかには両膝撮影だったり両上肢撮影など広範囲の脂肪抑制撮影は基本的にSTIR or Dixonを使用します。

ほかにも撮影範囲やコイル選択にも影響されると思います。

経験が最も大事ですが、ぜひ参考にしてみてください。

アーチファクトについて 国家試験対策

国家試験でも臨床の現場でも悩まされるアーチファクトのお話。学生のときからたくさんありすぎて覚えれないよーとなる人も少なくないかもしれません。

実際MRI撮影していて重要だと思うものは

モーションアーチファクト(体動アーチファクト)

折り返しアーチファクト(エリアジングアーチファクト)

磁化率アーチファクト

ぐらい?でしょうか

学生が国家試験対策で覚えておくべきことは

ほとんどのアーチファクトは位相方向に出現する。周波数方向にでるのはケミカルシフトアーチファクト(化学シフトアーチファクト)ぐらい!ということですかね… あくまで国家試験レベルでは、の話ですので悪しからず。

あと折り返しアーチファクトの対策としてオーバーサンプリングを設定するというのは定番の問題ですね。

臨床向けのアーチファクトの話はこちらで解説しています。

MRI 位相方向の設定について 臨床向け 新人の方へ

撮影する部位によって位相方向というのは基本的に決まっています。例えば頭部MRIのアキシャル(冠状断)でしたらRL方向(左右)ですし、脊椎spineのサジタル(矢状断)だとFH方向(頭尾)、腹部のアキシャルだとAP方向(前後)と相場が決まっています。

まず位相方向を決める上での条件として①その方向を位相方向としたときに生じるアーチファクトはないか。②撮影時間をより短縮できるのは位相方向をどちらに設定したときか。この2点が重要になってきます。

①その方向を位相方向としたときに生じるアーチファクトはないか。

考えられるのはフローアーチファクトとモーションアーチファクトとかでしょうか。頭だとわかりにくいですが頸椎のサジタルとかだとわかりやすいでしょうか。頸椎はその腹側には咽頭があり呼吸や嚥下によって動きます。頭側には頭蓋があり背側は何もなく尾側には胸椎があります。仰臥位のときこの中で動いているのは咽頭のみです!つまり頸椎の矢状断サジタルを撮る際は位相方向をAPにするよりFHに設定したほうがモーションアーチファクトは低減します。

ほかにも腰椎の冠状断コロナルはFH頭尾とか(RL左右だと呼吸によって動く後腹膜臓器がモーションアーチファクトとなる)、膝の矢状断サジタルはFH頭尾とか(AP前後だと膝の背側にある膝窩動脈という大きな動脈のフローアーチファクトが膝にかかってしまう)経験するうちに無意識に設定できるようになると思います。

②撮影時間をより短縮できるのは位相方向をどちらに設定したときか。

頭部の横断像アキシャルを想像してください。頭は動きません。

つまり位相方向をどちらに設定しても動きのアーチファクトはありません。正直AP前後方向でもRL左右方向でもどちらでもいいです。しかし、少しでも撮影時間を短くしたいとき、撮影時間は位相数に比例するため、少しでも位相数を減らせる向きに位相方向を設定したいです。そう考えると、正常の頭は縦長の楕円形なのでAPよりRLの方が径が短いです。よって頭のアキシャルの位相方向は通常RL方向となります。※DWI含め一部シーケンスは除く。

反対に腹部のアキシャルなんかはRLでもAPでもどちらに位相方向を設定しても呼吸によるモーションアーチファクトが生じます。なので、より撮影時間を短縮するためには…そうです。腹部のアキシャルは通常AP方向に位相方向を設定します。そうすることで余分な位相数を削り撮影時間を短縮することができます。

このようにまずモーションアーチファクトを考慮し、次に撮影時間を最適化する。よく撮影する部位については基本的に設定する位相方向が決まっていますが、珍しい病変を撮る際、原理を理解し、適切な位相方向を設定する必要がありますのでぜひ経験を積んでください。

撮影時間について理解できていない方はこちらをご確認ください。

ありがとうございました!