out of phase画像

dixon法の説明でも出てきたout of phase画像ですが臨床でどのように使用されるのか

知っていて損はありません。

そもそもout of phaseとは水プロトンと脂肪プロトンの磁化ベクトルが逆位相のときに取得される画像なので信号値は水プロトンと脂肪プロトンの信号の差分の絶対値となります(信号が負の値となることはないので)。つまり1つのピクセルに水と脂肪が同じ量あれば信号は0となり、水か脂肪のどちらかが多いと高信号になりますちなみに息止め撮影をする臓器のout of phase画像はGREグラジエントエコー法を用いて撮影します。

主な用途は微量な脂肪の鋭敏な検出(高分化型肝細胞癌、脂肪肝、副腎腺腫など)および水脂肪境界部の低信号帯を利用して腫瘍の原発臓器や浸潤の有無の判断に用いられます

脂肪肝の症例 正常だと脂肪成分の少ない肝実質に脂肪が沈着すると信号が低下する。
副腎腺腫の症例 正常だと脂肪成分の少ない副腎に脂肪が沈着すると信号が低下する。

知らなくても撮影には困らないですが、知っていると検査の質も向上しますので一緒に学んでいきましょう!

水/脂肪信号相殺法 Dixon法について

脂肪抑制法の1つであるDixon法は比較的新しい部類の撮影法なので古い装置だと使用できないこともあります。

原理は意外と簡単で、水プロトンと脂肪プロトンの位相差を利用して決まったTEで信号を受信し、2つの画像を得る。磁化ベクトルが同じ方向を向いた画像をin phase, 反対の方向を向いた画像をout of phase(またはopposed phase)という。

これら2つの画像を用いて脂肪抑制画像を算出します。

また脂肪抑制画像だけでなく、得られたout of phase画像も臨床によく用いられます。

副腎腺腫の症例。T1強調画像in phaseでは腫瘤は肝と同程度の中間信号を呈しているが、脂肪抑制画像であるout of phaseでは信号が低下しているので脂肪の存在を証明でき、副腎腺腫と診断できる。

異なるTEを用いて脂肪抑制画像を取得するので周波数選択的脂肪抑制画像であるChess法より磁場の不均一に影響されにくいです。

ある程度の広範囲の撮影や肺の近く、手や頚部, 足など複雑な形状の部位(Chess法だと脂肪抑制にムラが生じる場所)でも均一に脂肪抑制をかけることができます。

加えてT2強調画像とT2強調脂肪抑制画像を同時に取得できるので別々に撮影するより時間の短縮ができます。STIRのようにSNRが低下することもありません。ただし、金属の周囲に関しては計算がうまくいかず脂肪抑制が効かない場合があるため、金属の周囲を脂肪抑制したいときはSTIRを使用してください。(造影前に限る)

脂肪抑制方法についてはいくつか種類があり、使い分けがありますが、原理を理解し正しく使いましょう!