MRIのスライス厚とSNRの話

MRIを撮影する際のスライスの厚さ(スライス厚)は装置のスペックにより設定できる最小の厚さが決まっています。

それは最大傾斜磁場強度によって変化します。

薄いスライスの方が見たいものを細かく見れるからとにかく薄く撮ればいいんじゃない?と、思う方もいらっしゃるかと思いますがMRIにおいて薄すぎるスライスというものはそれなりのデメリットが生じます。 それはSNRが大きく低下するということです。

これはCTにも共通する話ですがスライスの厚さというのは1ボクセルのうちのZ軸方向の大きさを表します。縦だろうが横だろうが高さだろうがボクセルサイズが小さくなれば信号に対するノイズの割合が増えてSNRの低下した画像となります。それを補うためには例えばCTなら線量を増やせばいいのですがMRIだとそう簡単にもいきません。

薄いスライスがいい!さてスライス厚を半分にするだけで…

前と同じSNRを得るためには4倍のNEX: 加算回数(撮影時間は4倍になります)にしたり、NEXを少し上げつつMatrixを下げる(分解能を下げる)など、何かを犠牲にしてSNRを担保しなければなりません。

これらは撮影時間の延長に繋がりますので患者さんにより多くの負担を強いることになります。

5mmの大きさの病変を2mm〜3mmのスライスで評価するのは理解できますが20〜30mmの大きさの病変なら5mmとか6mmなどの厚いスライスでも十分評価できます。ターゲットを見極め、無駄な条件で設定せずに必要な情報はしっかり得ながら最短時間で検査することこそMRIの撮影者に求められるスキルだと思います。